96

TENET感想(ネタバレあり)

TENET観ました。
率直な感想としては、「まったくエントロピーって言えば喜ぶと思いやがって! そうだよ!」って感じです。
なにか運動が起きるとエントロピーが増大する、それを逆に減少させてやれば時間が逆行する……いやおかしいでしょ。でも厨二的でいいですね。
なにより時間が逆行する絵は観てて新鮮で気持ちよかった。逆行世界の兵士は「あそこにビルの欠片が落ちてて、あのビルが倒壊しているから、これからこの角度で破壊されるんだろう、だからここに隠れて衝撃波(収束波?)をやり過ごそう」とか考えてたりするんだろうか。観てるだけでも頭がおかしくなりそうで最高。実際帰りに歩いててどこかで逆行が起きるんじゃないかみたいな感覚になりました。
よくよく考えるとやっぱちょっと変で、ガラスに弾痕があって「なにがあったんだ?」「いや、これから起きる」なんて会話がありましたけど、じゃあその弾痕はいつついたんだ?って考えると未来でというわけにはいかないでしょう。そういう細かいことは気にするなってことなんだろうけど。逆行世界は逆再生とCGで撮影している感じなのかなー。すげえなー。
それ以外で思ったこと。
主人公の名前が最後まで明かされないので、最初視点が誰なのかわからなかった。これは最後に実は主人公が黒幕的な存在でしたってやるための設定なのかなーと思うんですけど、ほかに意図があったりするのかなー。例えば主人公は人格がなくて、ほかの誰にでもなりうるみたいな。いやこれは適当ですけど。
TENETって名前で時間の逆行、挟撃作戦が主題なのでTENが順行と逆行の両方から来るってことで、10がキーワードなのかなと思ってたけどその辺はよくわかんなかった。TENETのポーズが両手を合わせるしぐさなので5と5が合わさって10になる的な示唆はあったし、プリヤが集めなきゃいけない装置は9個、と言ってて食い違うんだけど、プリヤにその知識を与えていたのは主人公で、主人公は「嘘は作戦の基本」みたいなことを言っているので実は10個あるんだ、みたいなことかなとは思ったけども。だからどうだというところまでは辿り着けていない。これは何回も見たらわかるのかなあ。
あと違和感を感じたのは終盤でキャットがセイターを殺してしまうシーン。いくらなんでも衝動的過ぎるでしょ、どんな意味があるんだろう。まあキャットだったらしょうがないか。猫は思惑通りには動かない。もともとの順行世界でもキャットはセイターを殺そうとしたし、どの道未来は変えられない的なことなのか?
序盤で主人公が拷問を受けるシーンは左右を電車が走ってて、すげえところで拷問してるなって感じなんですけど、右の電車と左の電車はそれぞれ逆に走っているので時間の流れのモチーフなんでしょう。「君の名は。」でも電車はパラレルワールドのモチーフとして使われてましたし、世界共通のモチーフなのかなーとか思いました。順行と逆行の両方にアクセスできる狭間にいるのがあの3人的な意味もあるのかなー。
まとまりないですけどそんな感じで結構楽しかった。時間があってほかに観るのがなかったら気になってもう一度観に行きたくなる作品だけど、今はヴァイオレットやってるからなー。解説とか考察は漁ってみようと思います。